フンドシからはみ出したのは……ナニ!? 「シシかグスミチかフニか」
先人から学ぶ、洒落た大人の小噺 『艶笑譚』
辛抱できないのは3人の娘に逸物を触られ続けていた若い漁師だ。近付いてくる娘たちに飛びかかり最初に一番下の娘、次に一番上の娘、最後に真ん中娘とことを済ませ、また眠ってしまった。
ことが終わって、一番下の娘はうっとりしながら「私、間違っていたわ。あれはフニ(骨)ね」というと一番上の娘は、やや不満気に「フニ(骨)だと思っていたのに、あれはグスミチ(軟骨)ね」となる。そして最後に真ん中の娘はすっかり失望しながら「いやいや、あれはシシ(肉)だったのね」といった。
3人は、ますます男の逸物が分からなくなってしまった。
回数を重ねるたびに、男のたくましさが失われていく様を、女性視点で見事に語っているエピソードだ。直球ではなく、男が失速していく様をどこか滑稽につづっているところが何とも洒落ていると思えてならない。
何か発言をするたびに、それはセクハラだというような問題が沸き上がる現代社会だが、ちょっとした洒落っ気を含ませるだけで愉快なエピソードになる。こうしたスマートさこそ、今の男性は先人から学ぶべきなのかもしれない。
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